秋晴れの一日、今回は港区の白金台駅周辺を散策してきました。かつては勤め先に向かう通勤経路だったのですが、途中下車する機会がなく、私にとっては初探訪の地となります。とはいえ、以前から気になっていた所がいくつもあったので、一日かけて目一杯、歩きまわってきました。まずは松岡美術館に向かいました。

松岡美術館

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何年も前から美術館の存在は知っていたのですが、こじんまりした個人美術なのだろう…という勝手な思い込みもあって、一度も足を運ぶ機会がありませんでした。そんな中、毎週欠かさず見ているBS日テレ「ぶらぶら美術博物館」で今年の夏、松岡美術館が取り上げられました。

ぶらぶら美術博物館 松岡美術館

良い意味で、かなり驚きました。この美術館の館内に展示されているガンダーラ美術の仏像が、私がこれまで見慣れていた古色蒼然とした日本の一般的な仏像と、まるっきり印象が違っていたためです。アレクサンダー大王の東征で、西アジアやインドにギリシア文化が流入したことは、歴史の教科書で理解していたつもりでしたが、現物を観ないことにはやはり分からないものです。

テルマエロマエ風に言えば“平たい顔族”の日本の仏様とは、どうみても明らかに違うのです。仏様の顔の彫(ほり)がどれも深く、目鼻立ちのラインがクッキリしていて、ギリシア彫刻の影響が色濃く見て取れます。まさに“イケメン”なのです。菩薩立像などは躯体も隆々としていて、マッスルな印象です。

仏教や仏像という言葉から、日本人の多くが連想する一般的なイメージや認識は、あくまで極東のこの島国の中で培われてきたものであって、そもそもの源流を辿っていくと、ワールドワイドな要素を含む多文化の融合体だということを、つくづく思い知らされます。2009年、「阿修羅展」が話題になり、仏像を愛でる若い女性が巷に増えていると話しには聞いていますが、そうした人たちにこそ是非、ガンダーラ仏を見てもらいたい、と思いました。かなりの衝撃を受けるはずです。

ちなみに松岡美術館、入館して驚いたのですが、展示作品の写真撮影が全てOKということでした。個人美術館では本当に稀有な存在です。有り難く撮影をさせてもらいました(合掌…)。

まず、美術館イチ押しの仏様、菩薩半跏思惟像(ぼさつはんかしゆいぞう)です。京都・広隆寺や奈良・中宮寺にある有名な半跏思惟像(国宝)と同じ姿勢・ポーズをしており、比較してみると興味深いです。

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展示されていた菩薩像の数々、どれも日本のものとは大分異なります。同じアジア圏とはいえ、西洋的な雰囲気を含んでいて、またその顔立ちには凛々しさを感じます。

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展示作品から目を転じると、一面のガラス窓の向こうに美しい中庭が広がっています。ちょうど今、紅葉シーズンなので眺めは格別です。

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今回、館内2Fで企画展が開催されていました。主に中国の陶磁器と、日本人作家による色彩豊かな風景画が展示されていました。盛りだくさんな展示内容でしたが、やはり何と言ってもガンダーラの素晴らしい仏様に出会えたことが、今回の最大の収穫でした。なぜこんな素晴らしい美術館を今まで一度も訪れなかったんだろう…と、つくづく感じた次第です。

(続く)
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