松岡美術館を後にして次に向かったのは八芳園です。都心にある緑豊かな総合結婚式場で、以前から是非、園内の日本庭園を鑑賞してみたいと思っていました。

八芳園

都心にある日本庭園というと、六義園・小石川後楽園・清澄庭園・浜離宮恩賜庭園といった場所が思い浮かびますが、それ以外にも、老舗といわれる大型ホテルや総合結婚式場などにも、素晴らしい景観を誇る日本庭園が残されています。

こうした都心にある規模の大きい日本庭園の多くは、江戸時代の諸大名や有力武家の屋敷跡ですので、必ず歴史的な背景があります。そうした時代背景を知ったうえで鑑賞すると、より深い見方ができるはずです。というわけで今回も、訪問前日に八芳園のHPを見てみました。

八芳園の歴史は、上記サイトに詳しく説明されています。元をたどると最初は、あの“天下の御意見番”と言われた大久保彦左衛門の屋敷があったそうです。その後、所有者が入れ替わったのちに、久原房之助(くはらふさのすけ)という人物が、現在の八芳園の原型を作り上げたとのこと。色々と調べてみると、大正~昭和期に実業界・政界で活躍した人物で、現在、誰もが知っている日立製作所、日産自動車、ENEOSなどの大企業は、すべて久原氏が設立した企業(久原鉱業所)をルーツとしているそうです。政治家としては、二・二六事件や大政翼賛会への関与など“政界のフィクサー”の異名を持っていたとのこと。色々な意味で勉強になります…。

さて、八芳園の訪問の様子です。大きな黒色の正門をくぐり、本館の建物に向かう道すがらに風情のある木土門があり、そこから庭園に入りました。

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少し先に進むと、見事な十三塔が立っていました。伊賀上野にあったものを移したそうで、関東大震災の際にも崩れなかったそうです。

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さらに先に進むと、枝振りの良い立派な盆栽がズラリと並んでいました。盆栽越しに見える庭の奥には、久原氏の屋敷だった日本家屋、「壺中庵」があります。当初、「日本館」と呼ばれていた建物は、作家の遠藤周作により、中国の故事「壺中天」(壺の中には仙人が住み、宮殿や楼閣を成して山海の珍味を楽しむ、桃源郷のような別世界・別天地がある)に因んで命名されたそうです。

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さらに先に進むと、庭園中心の池に向かう坂道があり、その周りには美しく色付いた紅葉が一面に広がっていました。

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趣のある東屋(あずまや)でひと休み。小さな小屋ですが造りが凝っていて、周囲の景色と相まって目を楽しませてくれます。まるで琳派の絵の中に入り込んだ様です。

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池の水面に映る紅葉の景色。池畔には、水面に浮かぶように建つ水亭や、大きな石灯篭があり、庭園内のアクセントになっています。茶室のべんがら傘の朱色も、何とも色鮮やかでした。

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庭園の少し奥まった所に、小さな神社がありました。明治維新の志士を祀った大護神社です。やはり参拝せずにはいられません…。

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滝の水が流れ込む一画には、大きく立派な鯉たちが優雅に泳いでいました。

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当日は平日にもかかわらず、ウェディングドレス・タキシードを着たカップルが、何組も庭園で写真撮影をしていました。何とも羨ましい限りです…。庭園の鑑賞を終えたあと、本館の館内へ。レストランでランチでも食べようかな…、と思っていたのですが、ちょうどお昼過ぎの時間帯で大混雑。ランチは諦めて、八芳園を後にしました。

とはいえ、素晴らしい紅葉の景色を十分に堪能することができ、大満足のひと時でした。四方八方どこを見ても美しい庭、それが八芳園。新緑の映える頃に、また再訪したいと感じた次第です。

(続く)
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