4月の初め、上野の東京国立博物館(トーハク)で開催中の「大神社展」を見学しに行きました。以前のブログでも書いたように、今年の6月2日に神社検定(弐級)を受験する予定で、現在、分厚いテキスト2冊と悪戦苦闘している最中です。テキストを読むだけでは本当の知識は身につかない、実地での勉強が何より大事ということもあって、開催日早々に上野に足を運びました。
大神社展 東京国立博物館


実は今回のトーハク訪問には、もう1つ別の目的がありました。毎年春と秋の年2回、通常立ち入り禁止の博物館北側の庭園が期間限定で開放されます。以前から、歴史ある茶室を移築した日本庭園をじっくり鑑賞してみたいと思っていたのですが、今回、「大神社展」の見学日が庭園開放期間と重なったこともあって、トーハクに入館した後、まずは北側の庭園から見て廻ることにしました(庭園内にある建物や史跡の来歴については、以下に詳しく紹介されています。参考までに)
東京国立博物館 庭園・茶室
庭園内に移築されている建物や茶室の数々、いずれも昔の姿を留めて何とも風情があります。現在でも茶室は、お茶会などで利用できるそうです。自分もいつかは、お茶を嗜むことが出来るようになりたいものです。





庭園の中央には広い池があります、池越しに見える庭園の緑と茶室の風景、日本画の題材になりそうな素晴らしい景色です。



庭園見学を終えて、いよいよ「大神社展」へ。昨年10月、同じくトーハクで開催された「出雲展」を見学しに行った記事を書きました。前回の展覧会も勿論、文句なしに素晴らしかったのですが、今回は全国各地の有名な神社の宝物が大集合し、格段にスケールアップした展示内容でした。
入館時に受け取った案内チラシに「国宝・重文160件、神社パワー全開!」というキャッチコピーが載っていたのですが、実際に展示会場に入って納得、1つ1つの展示品がどれもが由緒のある品々ばかりで、パワー全開という言葉に偽りは無いと実感しました。まさに展示会場自体がパワースポットといった感じです。素晴らしい宝物の中でも、特に印象に残った品々をいくつか紹介しましょう。
特に壮観だったのは、私自身、これまでほとんど見たことの無い数多くの神像が、全国各地の神社から集められてズラリと並んでいた光景です。仏像に関しては、日本人なら誰もが馴染みがある像といえますが、神像となると、ほとんどお目に掛かることは無いかと思います。男神・女神・童形神・武装神・僧形神・子守神などなど、どの像を見ても、神と崇められた人たちの当時の様子(服装、髪形、服飾品など)を伺い知ることができて、とても興味深かったです。
展示品の中でも、際立って歴史を感じさせる宝物がありました。「七枝刀(しちしとう)」という鉄剣で、国宝です。奈良県の石上(いそのかみ)神宮の所蔵品で、4世紀、百済王から倭王に贈られたとされる剣だそうです。数年前、奈良旅行をした際に石上神宮に初めて参拝に行ったのですが、日本最古の神社の一つに数えられ拝殿が国宝という、何とも荘厳な雰囲気が漂う神社でした。石上神宮でも、特別拝観の時以外は、この七枝刀を見学することはできないとのこと。そういえば、現在勉強中の神社検定弐級のテキスト内に、石上神社の来歴と七枝刀が解説されていました。今回は貴重な実物を見学できて、またとない良い機会でした。
石上神宮 宝物
数多い展示品の中でも最も印象深かったのが、和歌山県・鞆淵八幡神社の「沃懸地螺鈿金銅装神輿
(いかけじらでんこんどうそうしんよ)」です。平安時代の12世紀に造られた神輿(おみこし)で、後堀川天皇の勅命により石清水八幡宮勧請の際に奉送されたと伝えられています。平安時代の神輿が、こんなに良い状態のまま現存しているとは…これは奇跡に近いです。実際に人を上に乗せて運べる位の大きさがあり、当初の神輿は、「ワッショイ、ワッショイ」と威勢よく担ぐようなモノではなかったことが分かります。現在に伝わる日本の神輿のルーツを見て取ることが出来ました。
沃懸地螺鈿金銅装神輿 粉河町内の文化財
今回の展覧会、個人的には神社検定の勉強をする上で、とても参考になりました。日本古来の神社や神道の奥深さを体験できる貴重な場ですので、色々な人にお勧めしたい次第です。ちなみに展覧会の見学後、「大神社展」のグッズ売り場でお土産を購入しました。これです(神社だけにジンジャー)。

トーハクの庭園、それに「大神社展」、両方ともに素晴らしかったのですが、実は今回、トーハクに向かう前に、上野公園周辺を色々と散策してきました。これまでの記事にも書いてきたように、最近、上野を訪れる機会が何度かあり(国立科学博物館のステンドグラスや、小林世征さんの紹介するパワースポットなど)、そこにある史跡の見学を通して上野の歴史を調べるうちに、江戸時代に開山した東叡山寛永寺と、それに深く関わった天海僧正の事績を、色々と知ることになりました。そんな初めて知った知識の確認も兼ねて今回、改めて上野公園周辺をじっくり散策してきました。次回の記事で紹介したいと思います。
大神社展 東京国立博物館


実は今回のトーハク訪問には、もう1つ別の目的がありました。毎年春と秋の年2回、通常立ち入り禁止の博物館北側の庭園が期間限定で開放されます。以前から、歴史ある茶室を移築した日本庭園をじっくり鑑賞してみたいと思っていたのですが、今回、「大神社展」の見学日が庭園開放期間と重なったこともあって、トーハクに入館した後、まずは北側の庭園から見て廻ることにしました(庭園内にある建物や史跡の来歴については、以下に詳しく紹介されています。参考までに)
東京国立博物館 庭園・茶室
庭園内に移築されている建物や茶室の数々、いずれも昔の姿を留めて何とも風情があります。現在でも茶室は、お茶会などで利用できるそうです。自分もいつかは、お茶を嗜むことが出来るようになりたいものです。





庭園の中央には広い池があります、池越しに見える庭園の緑と茶室の風景、日本画の題材になりそうな素晴らしい景色です。



庭園見学を終えて、いよいよ「大神社展」へ。昨年10月、同じくトーハクで開催された「出雲展」を見学しに行った記事を書きました。前回の展覧会も勿論、文句なしに素晴らしかったのですが、今回は全国各地の有名な神社の宝物が大集合し、格段にスケールアップした展示内容でした。
入館時に受け取った案内チラシに「国宝・重文160件、神社パワー全開!」というキャッチコピーが載っていたのですが、実際に展示会場に入って納得、1つ1つの展示品がどれもが由緒のある品々ばかりで、パワー全開という言葉に偽りは無いと実感しました。まさに展示会場自体がパワースポットといった感じです。素晴らしい宝物の中でも、特に印象に残った品々をいくつか紹介しましょう。
特に壮観だったのは、私自身、これまでほとんど見たことの無い数多くの神像が、全国各地の神社から集められてズラリと並んでいた光景です。仏像に関しては、日本人なら誰もが馴染みがある像といえますが、神像となると、ほとんどお目に掛かることは無いかと思います。男神・女神・童形神・武装神・僧形神・子守神などなど、どの像を見ても、神と崇められた人たちの当時の様子(服装、髪形、服飾品など)を伺い知ることができて、とても興味深かったです。
展示品の中でも、際立って歴史を感じさせる宝物がありました。「七枝刀(しちしとう)」という鉄剣で、国宝です。奈良県の石上(いそのかみ)神宮の所蔵品で、4世紀、百済王から倭王に贈られたとされる剣だそうです。数年前、奈良旅行をした際に石上神宮に初めて参拝に行ったのですが、日本最古の神社の一つに数えられ拝殿が国宝という、何とも荘厳な雰囲気が漂う神社でした。石上神宮でも、特別拝観の時以外は、この七枝刀を見学することはできないとのこと。そういえば、現在勉強中の神社検定弐級のテキスト内に、石上神社の来歴と七枝刀が解説されていました。今回は貴重な実物を見学できて、またとない良い機会でした。
石上神宮 宝物
数多い展示品の中でも最も印象深かったのが、和歌山県・鞆淵八幡神社の「沃懸地螺鈿金銅装神輿
(いかけじらでんこんどうそうしんよ)」です。平安時代の12世紀に造られた神輿(おみこし)で、後堀川天皇の勅命により石清水八幡宮勧請の際に奉送されたと伝えられています。平安時代の神輿が、こんなに良い状態のまま現存しているとは…これは奇跡に近いです。実際に人を上に乗せて運べる位の大きさがあり、当初の神輿は、「ワッショイ、ワッショイ」と威勢よく担ぐようなモノではなかったことが分かります。現在に伝わる日本の神輿のルーツを見て取ることが出来ました。
沃懸地螺鈿金銅装神輿 粉河町内の文化財
今回の展覧会、個人的には神社検定の勉強をする上で、とても参考になりました。日本古来の神社や神道の奥深さを体験できる貴重な場ですので、色々な人にお勧めしたい次第です。ちなみに展覧会の見学後、「大神社展」のグッズ売り場でお土産を購入しました。これです(神社だけにジンジャー)。

トーハクの庭園、それに「大神社展」、両方ともに素晴らしかったのですが、実は今回、トーハクに向かう前に、上野公園周辺を色々と散策してきました。これまでの記事にも書いてきたように、最近、上野を訪れる機会が何度かあり(国立科学博物館のステンドグラスや、小林世征さんの紹介するパワースポットなど)、そこにある史跡の見学を通して上野の歴史を調べるうちに、江戸時代に開山した東叡山寛永寺と、それに深く関わった天海僧正の事績を、色々と知ることになりました。そんな初めて知った知識の確認も兼ねて今回、改めて上野公園周辺をじっくり散策してきました。次回の記事で紹介したいと思います。
コメント
素晴らしい茶室があるんですね。言い方は悪いのですが、貧乏くさい方がよりよく見えるのは不思議です。現代の綺麗なものは目指すものが別にあるということなのでしょうか(・_・;)
Re: タイトルなし
> 素晴らしい茶室があるんですね。言い方は悪いのですが、貧乏くさい方がよりよく見えるのは不思議です。現代の綺麗なものは目指すものが別にあるということなのでしょうか(・_・;)
コメントありがとうございます。池のそばに建つ茶室は、小堀遠州の作ですが、遠州は「きれいさび(綺麗寂び)」で知られていますね。寂びてはいるけれど、誰が見ても素直に美しいと感じられる寂びです。そんな遠州の美的センス、本当に奥が深いです。
コメントありがとうございます。池のそばに建つ茶室は、小堀遠州の作ですが、遠州は「きれいさび(綺麗寂び)」で知られていますね。寂びてはいるけれど、誰が見ても素直に美しいと感じられる寂びです。そんな遠州の美的センス、本当に奥が深いです。
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